密教について(後期)


ヒンドゥー教の隆盛に対抗できなくなった密教は、理論より実践を重視した
無上瑜伽(むじょうゆが)タントラの経典類を中心とする後期密教が誕生しました。
この9世紀以降の後期密教のことをタントラ仏教といいます。



タントラとは中世ヒンドゥー教で女性原理である
シャクティ(性力)の教義を説く経典で、
タントラ仏教とはこのタントラの信仰を取り入れた密教の形態です。
性欲などの煩悩を肯定するため、
他の仏教から異端視されることが多いようです。



後世のチベットで行われたタントラ(密教経典)の分類によると密教経典は、
所作(しょさ)タントラ、行(ぎょう)タントラ、瑜伽(ゆが=ヨーガ)タントラ、
無上瑜伽(むじょうゆが)タントラの4種類に分けられるといいます。



所作タントラは初期密教の雑密のことで、
「薬師如来本願経」や「金光明経(こんこうみょうきょう)」など多数あり、
現世利益(げんぜりやく)や国家鎮護や雨乞いのためなど
さまざまな呪術のために用いられます。



行タントラの代表は密教の中期に成立した「大日経」があります。



瑜伽タントラは毘盧遮那仏などの諸尊との合一を目的とするもので
「金剛頂経」がその代表です。日本の真言宗の読誦経典であり、
性的欲望を肯定し、それを浄化することによって智慧そのもののなかに
入り込むことができると説く「理趣(般若)経」も瑜伽タントラです。
そして中国や日本に伝わった密教経典は、この瑜伽タントラまでです。




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参考文献