愛染明王
あいぜんみょうおう
（ラーガ・ラージャ）

※このタンカは、金の光輝性の顔料で描いています

愛欲とその裏返しである怨憎の両方を整えて、人々を悟りの心へと導く愛染明王。愛欲貪染（あいよくどんぜん）をそのまま菩提心に変える力を持つ煩悩即菩提を象徴した明王です。人間のさまざまな欲望は悟りへのエネルギーへと転換できるというのが愛染明王の教えです。

赤い体の憤怒相で一面三目六臂。獅子頭の付いた冠を冠り、弓、矢、金剛杵、金剛鈴、蓮華を持ち、密教の儀式の際に用いる灌頂（かんじょう）の水を入れる宝瓶（ほうびょう）に咲く蓮華座の上に座っています。

愛の字が示すとおり「恋愛・縁結び・家庭円満」などの願いを叶える仏として古くから信仰され、「愛染＝藍染」と解釈した染物・織物職人の守護神にもなりました。

■サイズ（縦×横）:外寸460×330mm(絵400×265)
■生産国：ネパール
※タンカのみの販売です。額はついていません。





※２４金からつくった金泥で描いた愛染明王はこちらから

金泥で描いたものと金の顔料で描いたものとの違いは、金泥は細い線を描くことができ、金は渋く輝くきます。金の顔料は、金泥ほど細く線は描けませんが、金は明るく輝きます。









<タンカの製作者について>
このタンカの製作者はネパールのラメチャップ出身のラマ ギャンデンさん。1991年生まれ。



※このタンカは彩雲がラマ ギャンデンさんに依頼し、新しく製作したオリジナルのタンカです。



如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ（Thanka）』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。

絵具は鉱物性顔料（※１）と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は２４金から作られた金泥（※２）が使われています。
※１鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
　　天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
　　日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
　　代表的な色と鉱石は、青−琉璃（ラピスラズリ）、緑−孔雀石（マラカイト）、赤−辰砂（シンナバー）など。
※２金泥(きんでい)―純金の粉を膠（にかわ）の液で泥のように溶かしたもの

タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、２４金から作られた金泥が使われています。