十一面千手観音(額付き)
(十一面千手観自在菩薩)
じゅういちめんせんじゅかんのん
観自在(かんじざい)は、観音(かんのん)、観世音(かんぜおん)または世自在(せじざい)ともよばれます。
多様なる姿で現れ、この世に生きとし生けるものが悟りを得るまでは、自分は如来となって悟りの世界へは行かず、この世で救済の修行を続けている菩薩です。
十一面千手観自在は11の面であらゆる方向に顔を向け、1000本の腕ですべての生き物を救済し、人々のあらゆる願いを叶えるといわれます。
一番上の面は阿弥陀如来です。
一対の両腕で合掌し、与願印を結ぶほか、数珠、蓮華、水を入れた水瓶(すいびょう)、弓などをもっています。
十一面千手観自在は、ネパールの108種の観自在(108観自在)の第52番目の観自在です。
■タンカのサイズ(縦×横):275×220mm
■額のサイズ(縦×横):377×287mm
■生産国:ネパール
「額はアンティーク風の木製フレーム、マットは黒を使用しています」
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。