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彩雲の店長です。上海万博のネパール館でタンカと出会い、一目で魅了されました。これをきっかけにして神様仏様に関連する彩雲ショップをやることに決めました。よろしくお願いします。

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タンカ(仏画)について


1.仏教の起こり〜ほとけたちが描かれるようになるまで



紀元前5世紀頃、インドのブッダガヤで悟りを開き、
仏教の開祖となったゴータマ・ブッダ(仏陀)。
仏陀は自ら体得した、悟りへと至る智慧と修行法を人々に伝えましたが、
あくまでも人間として伝えました。
仏陀が神格化され、神通力をもった超人的な存在となったのは、
彼が亡くなったあとでした。



仏陀は亡くなってから約400年は人間の姿に表現されず、
法輪、足、仏塔などが、仏陀のシンボルとして描かれていましたが、
紀元1世紀頃から今のような人間の姿で表わされるようになりました。



さらに紀元2世紀の後半に大乗仏教(より多くの人を救おうとする菩薩思想)が
さかんになると、仏陀がもっているとされる、数多くの働きや能力をわけもつ
さまざまな仏(如来)や菩薩たちが表現されるようになりました。



阿弥陀如来や薬師如来、観音菩薩や文殊菩薩などは、
この時代にインドで生まれ、中国、朝鮮半島を経て日本にやってきました。



そして紀元7世紀以降に、密教(仏教タントリズム)がさかんになると、
ますます多くのほとけたちが信仰され表現されるようになりました。
密教とは大乗仏教が、公開形式で教えを説く顕教とよぶのに対し、 
特定の行者にのみ教えを説くので秘密教とよばれ、略して密教といいます。



密教は典型的な神秘主義の道を行き、
呪文や呪術的な儀礼から成り立っています。
チベット仏教はこの流れの中、7世紀以来インドから伝わってきた
大乗仏教がチベットの民間信仰と融合してできたもので、
密教的色彩が濃い、チベットを中心に成立した仏教です。





2.タンカの起源〜タンカの特殊な用い方



タンカ(Thangka)はチベット仏教で用いられる「仏画」の総称です。
インドの布絵仏画(パタ)が起源ですが、
ネパール経由でチベットに伝えられたと考えられています。



残念ながらインドでは13世紀の初頭に、伝統的な仏教が滅んでしまったので、
パタと言われた仏画は一点も遺されていません。現在ではタンカは
チベット仏教の伝播にともなってネパール、ブータンなどでも制作されています。



タンカに描かれる如来や菩薩などの尊像は、
密教の儀式や規則を記した「儀軌(ぎき)」という経典に、
その容姿や身体の色、持っている法具などが厳格に定められています。例えば
阿弥陀如来の身体の色は赤、大日如来は白、薬師如来は青というふうにです。



神秘的な傾向がとてもつよいチベット密教。
その僧侶たちはタンカを礼拝や美術品としての鑑賞用だけでなく、
  「悟り」を求めて修行する際の道具として用います。



描かれた尊像をありありと心に浮かべ観想を行ったり、
尊像と自らの合一を目的とする特殊な修行を行ったり、
タンカは「悟り」へと向かう手助けとして必要とされています。
最近では僧侶に限らず、一般の人でもこのような用い方がされているようです。





3.チベット、ネパールのほとけたちの密教パンテオン(グループ)



密教がさかんになり、数多くの仏たちが信仰されるようになって
その仏たちは「密教パンテオン」と呼ばれる、
おおまかに7つのグループを形づくっていきました。
(日本では、如来・菩薩・明王・天部に大きく4つに分かれています)



第一は「仏(ほとけ)」または、「如来(にょらい)」とよばれるグループです。
「仏」とは「目覚めた者」を意味し、
「如来」は「真理からやってきた者」という意味です。
このグループはすでに悟りを得た仏教上の最高位の仏たちが属しています。
質素な衣が特徴で、釈迦如来や薬師如来、阿弥陀如来などがいます。



第二は「菩薩(ぼさつ)」とよばれるグループです。→観音菩薩その他の菩薩
「菩薩」とは「悟りに至る勇気をもつ者」という意味です。
このグループは一所懸命に修行して如来になろうとするものが属しています。
インドの王侯貴族であった釈迦がモデルになっていますので、
さまざまなアクセサリーを身につけて、衣装もきらびやかです。
観音菩薩や弥勒菩薩、地蔵菩薩などがいます。



第三は「女神(じょしん)」のグループです。
ここには、ターラー(白多羅や緑多羅)や
ヨーギニー(瑜伽女ゆがにょ)やダーキーニー(荼枳尼だきに)など
恐ろしい姿をした魔女的な女神たちもいます。
チベットやネパールでは女神は高い地位を占め人気があります。



第四は「忿怒尊(ふんぬそん)」とよばれる男神のグループです。
忿怒尊は仏教の教えを守るため、
教えに従わない者たちを恐ろしい姿で威嚇しながら、
教えに導く役割を担っています。 
マハーカーラ(大黒)やアチャラ(不動明王)などがいます。
日本の「明王」に相当するほとけはこのグループです。



第五は「護法神(ごほうしん)」のグループです。
インドのバラモン教やヒンドゥー教に起源をもつ神々が護法神とよばれます。
現在のヒンドゥー教でも信仰されているインドラ(帝釈天たいしゃくてん)や
ヤマ(閻魔えんま)、ブラフマー神、シヴァ神、ヴィシュヌ神の三男神、ゾウの顔をもつガネーシャ神などがいます。
さらに太陽、月、火星、水星、なども星神として崇拝されています。



第六は「祖師(ラマ)」とよばれる人達のグループです。
祖師とは神仏ではありませんが、仏教がひろまる過程で、
ある宗派の創始者になったり、ひじょうに活躍した僧侶たちのことをいいます。
チベット仏教ゲルク派の創始者ツォンカパやニンマ派のパドマサンバヴァ。
そして有名なヨーガ行者であるミラレパなどがいます。



第七は「秘密仏(ヘールカ)」とよばれる仏のグループです。
密教の発展に伴って、
血に充たされた頭蓋骨杯や切り取られたばかりの人間の首、象の生皮や
蛇といった不気味なものに飾られた恐ろしい姿の尊格があらわれました。
それらは本来如来のグループですが、とくに秘密仏と呼ばれます。
ヘーヴァジュラやチャクラサンヴァラ、カーラチャクラなどがいます。



4.タンカの製作



チベットの伝統美術であるタンカは以下の手順で製作されます。


タンカのキャンバスは通常、綿布を用い、
その布目を白土(はくど)と膠(にかわ)で潰して、全体を平坦にします。
布目が平坦でないと絵具がひび割れて剥落の原因になります。



如来や菩薩などの尊像の、姿形や手に持つ法具や身体の色などを
厳格に定めた仏教経典「儀軌(ぎき)」にしたがって
線描きし、下絵をつくります。



下絵が完成すると彩色をします。絵具は鉱物性の顔料と合成顔料を用います。



最終的な仕上げの段階でキャンバスに尊像を浮かび上がらせるための
線描き、純金(金泥)を使って尊像の衣や、
背景の雲や花などの文様を描くなど、緻密で繊細な作業を経て完成します。



大きさや精密さにもよりますが、通常は1枚のタンカを描く時間は
1ケ月程度で、大作になると数ケ月を要します。



<仏教の歴史と教え>

インド仏教のおおまかな歴史

初期仏教の教え

大乗仏教の教え

密教の教え

チベット密教について


<仏教美術について>

仏教美術(初期仏教〜顕教)

仏教美術(密教〜初期から中期)

仏教美術(密教〜後期)


参考文献