ミラレパ
ミラレパは西暦1040年から1123年まで生存した人物で、10万といわれる仏教詩をつくったチベット人が最も愛した聖人の一人です。
ミラレパは若い時に父親を亡くし、財産は貪欲な伯父たちに奪われてしまい母親とともに非常に惨めな生活を強いられました。彼はその復讐のために黒魔術を習得し、叔父たち一家のほとんどを殺してしまいました。
しかし、後になって自分が犯した罪の大きさに激しく後悔したミラレパは偉大な仏教行者と呼ばれるマルパの弟子になりました。
マルパはミラレパが犯した罪業を今生で消すために、非常識で理不尽ともいえる激しく苦痛をともなう過酷な修行を与えました。
それでも師匠の言いつけに素直に従っていたミラレパは、長い年月の末ついに解脱を果たしました。
ミラレパはどのような悪人でも、修行さえ積んでいけば、最後には解脱に至るという仏教の根本理念を現実に成し遂げた人です。
■サイズ(縦×横):253×195mm
■生産国:ネパール
※タンカのみの販売です。額はついていません。
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。