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彩雲の店長です。上海万博のネパール館でタンカと出会い、一目で魅了されました。これをきっかけにして神様仏様に関連する彩雲ショップをやることに決めました。よろしくお願いします。
緑多羅菩薩は、観音さまが救っても救っても一向に減らない人々の苦難を見て思わずその眼から流れ出た涙から生まれ出たといわれ、苦難の海でもがき苦しんでいる衆生を救うという誓いを立てたといいます。日本人にはあまり馴染みがない多羅ですが、誰にでも分け隔てなく困難からの救いの手を差し伸べてくれ、またチベット仏教では数少ない女性の菩薩ということもあって、多くのチベット人の信仰の対象になっています。緑多羅菩薩は、身体の色はグリーンで活動的です。いつでもすぐに救いに出かけられるように、右足を常にやや前にある小さな蓮の台の上に置いて、動きがある姿勢をとっています。
『西遊記』で有名な玄奘三蔵は、そのインド旅行記「大唐西域記」の中で、ターラー菩薩の像を拝見したと書いていますから、ターラー信仰は7世紀頃から盛んになり始めたことがわかります。しかし、それが本格化するのは、密教の興隆以後のことです。後には仏眼、マーマキー、白衣、ターラーの四尊が四仏母と呼ばれ、特に重要な女性尊となりました。しかし、民衆に至るまで幅広く支持された点で、ターラー菩薩の右にでる女性尊はありません。日本にも、この尊格は、多羅菩薩として紹介され胎蔵マンダラの蓮華部院(観音院)に列します。また変化観音の一種とも考えられ、三十三観音中の多羅尊観音がありますが、独立して信仰されることはまれでしたが、チベットではターラー菩薩の信仰がきわめて盛んです。
ターラー信仰の高まりに従い、チベットでは、多種多様なターラー菩薩像が製作されましたが、代表的なものは、緑色ターラー菩薩と白色ターラー菩薩です。緑色ターラー菩薩は、商売繁盛・利殖・蓄財など、増益法関係に効果ありとされています。白色ターラー菩薩は、延命・長寿・無病息災など、主として息災法関係に効果ありといわれます。
こちらも緑多羅菩薩。
緑多羅菩薩は、観音さまの左目から流れた涙から生まれ、白多羅菩薩は観音さまの右目から流れた涙から生まれ出たといわれます。彼等二尊は共に衆生を救う役割を果たすためにこの世界にあらわれました。緑多羅が活動的な反面、この白多羅は母親のような包容力のある慈しみの心で衆生の苦しみを見つめているとされています。この菩薩は両眼の他、額に一つ、掌に一つずつ、足の裏にも一つずつ合計で七つの眼があります。これはこの世の人々のあらゆる苦悩を一つ残らず逃すことなく見つけることが出来る能力があることを表し、同時に救済の手を与えるためだといわれます。
こちらは布額装の白多羅菩薩です。前面には絵を保護するための布も付いています。
ターラ(tara)は「輪廻の海を渡るのを助ける女性」を意味しています。チベットではこの女尊は「救う女性」と呼ばれています。観音さまの涙から生まれた白多羅菩薩と緑多羅菩薩が有名ですが、赤多羅、青多羅、黄多羅、金剛多羅などさまざまな種類のターラが描かれ、赤多羅菩薩は財運と長寿のご利益があるといわれています。
経典ではパーンチカという夜叉の妻で五百人の子供がいて、人々の子供をさらっては食べていたという鬼子母神。人々が恐れをなしてお釈迦様に助けを求めたところ、お釈迦様は神通力で末娘を隠し、半狂乱の鬼子母神に子供を亡くした親の悲しみをさとらせて、仏教に帰依させたといわれています。 その後、子供は無事に鬼子母神のもとに戻り、鬼子母神は仏教とその信仰者の守護神になりました。 現在では、子供の育成安産にご利益があるとして信仰を集めています。
摩利支天は日月の光、または陽炎を神格化した女神。この女神は他人に自分の姿を見られないようにする隠形(おんぎょう)の神とされ、後には敵の攻撃から身を守る護身の神となりました。 阿修羅が日月を取ろうとし帝釈天と戦う中で、摩利支天は日月の前に立って阿修羅を迷わし、これを護ったといいます。 一切の災禍を除き利益を増すと言われ、また武勇の神として尊崇されました。特に修行者・武人に信仰があったようです。
衆生に長寿を授け、あらゆる危険から守るとされる、パンチャラクシャー(五護陀羅尼)を構成する五尊のひとつで、その中心に位置します。パンチャブッダ(五仏)の中心であるヴァイロチャナ(大日如来)と同様に身色は白で、四臂を持ち、右手に剣、矢、金剛杵、円輪を持ち、左手に斧鉞(おのとまさかり)、弓、三叉戟をもっています。 五護陀羅尼(Pañcarak?ā パンチャラクシャー)とは、インド密教において『大随求陀羅尼』、『守護大千国土経』、『孔雀王呪経』、『大寒林陀羅尼』、そして『大護明陀羅尼』 の 5 種の陀羅尼経典、およびそれらの経典が神格化された女神のグループを示す。各経典は 3 〜 7 世紀の初期密教時代にそれぞれ単独で成立し、主にネパール、チベット、中国、日本等に広まりました。
富と財宝の女神ヴァスダーラーは、カトマンドゥの民衆の中で最も人気のある女神の一人です。この名称は「宝を持つ女性」を意味しています。日本では時世観音の名で親しまれています。右の三臂は与願印を結び、財宝、数珠を持ち、左の三臂は瓶、穀物の穂、経本を持ち、身色は黄色で表されます。この女神は財宝人ジャンバラの明妃です。 ヴァスダーラーは仏の妃ではなく、またターラー女神のように衆生の精神的救済に深くかかわるものではなく、その職能は人々に現世利益をもたらすことと言われています。
《仏頂尊勝》仏頂尊勝は仏陀の肉髻(にっけい:頭頂部の突起した肉塊)を独立した仏とした密教の仏です。つまり仏陀の頭頂の徳や仏智を神格化したものです。 この仏の陀羅尼(だらに:神通力を与える力があるとされる呪文)を唱えれば、罪障は消滅し、長寿を与えられ、災いは除去され、悪魔を退散させ、死者を成仏させるなどの無量の功徳(くどく)があるといわれています。 仏頂尊勝の標準的図像は、身体の色は白色、三面八臂(中央が白、右が黄、左が青の3つの顔と8本の腕)で、右手は羯磨金剛(かつまこんごう:金剛杵を十字に交差させたもの)・蓮台上に阿弥陀如来像・矢・与願印。左手は弓・祈克印に索・施無畏印・水瓶をもっています。
恐ろしい顔をしていますが瑜伽女は女神(じょしん)です。 「ヨーギニー」とは「女性ヨーガ行者」を意味し密教の男性修行者のパートナーですが、密教パンテオン(グループ)では魔女的な存在です。 ヨーギニー女神は多くの場合、上半身裸で腰にガードルをまとい、顔は一つ、右手で「カルトリ」とよばれる肉切り包丁をもち、左手では血の満たされた頭蓋骨の杯をかかげもち、その血を飲もうとする姿で表されます。 また先端にドクロのついた杖を肩でかついだり、左足を上に大きく上げた姿のヨーギニーもよくみられます。
恐ろしい女神たちの代表が瑜伽女(ヨーギニー)と荼枳尼(ダーキニー)です。多くは美しい女性の顔で描かれますが、このダーキニーはライオンの顔をもち、Lion headed Motherとよばれています。 ダーキニーは元来は、インド神話の女神であるカーリー女神の侍女でしたが、カーリーがシヴァの妃となった後、ダーキニーたちもシヴァをとりまく女神と考えられました。彼女らは血の奉献を望み、人肉を食う恐ろしい存在です。ダーキニーは空を飛ぶことが出来るので「空行母(くうぎょうも)」ともよばれています。 身体の色は青色。人間の死体の上に乗り、右手に肉を切る取るためのカルトリ刀を振り上げて、左手に頭蓋骨杯を持ち、カトヴァーンガ棒を左肘と左肩で支え、頭蓋骨をつらねた首飾りを身につけています。 日本では稲荷信仰と結びつき、豊川稲荷などの神社では「荼枳尼天」として、まつられています。そのような荼枳尼天は、おおくの場合白色のキツネに乗り天女のような優しい姿をしています。
クルックラーは阿弥陀如来の部族に属する女神です。 この女神の陀羅尼(だらに)は、増益、つまり、他人の心を自分の思うようにしたいと望むときとか、蛇に咬まれたときの呪文として用いられました。 二臂、四臂、六臂、あるいは八臂を有します。 踊りのポーズである半跏坐の姿をとり、矢をつがえています。右手には鉤、左手には蓮華を持っています。 クルックラーは後期密教で盛んに信仰された尊格で、弘法大師によって中期密教までが伝わった日本ではほとんど知られていません。
ドゥルガーはヒンドゥー教の女神。シヴァの明妃でパールヴァティの化身です。 同じくパールヴァティの別名であるウマーが柔和な女神であるのに対し、こちらは血を好む恐ろしい側面を持っています。 五面十二臂の姿をし、首に生首の輪を掛け、右手に剣、矢、円輪、宝、そして中央に頭蓋骨杯を持ち、左手に錫杖、弓、法螺、瓶を持っています。 水牛の魔神マヒーシャを倒したドゥルガーは「マヒーシャーマラディーニ」としても知られています。
カーリーはヒンドゥー教の女神。シヴァの明妃でパールヴァティの化身です。 カーリーはパールヴァティの忿怒の姿で、敵の血を飲み干す恐怖の女神。神秘的な女神で肌の色は黒か青色をしています。 四本の手があり、首には仕留めた生首の首飾りをかけ、夫であるシヴァ神の身体の上に立っています。
ターラー(多羅)は「海や河を渡る」という動詞より派生した名詞と言われ、「輪廻の海を渡るのを助ける女性」を意味します。チベットではこの女神はドルマ(救う女性)と呼ばれインド・ネパール・チベットでは最もよく知られた女神です。 後世、白多羅、緑多羅な様々な種類のターラーが生まれ、ターラー崇拝の発展の中で、密教的ターラー、つまり四面八臂の金剛ターラーが生まれました。 彼女は四本の右手に、「金剛、羂索(けんじゃく)、矢及び法螺貝」を持ち、三本の左手に「睡蓮、弓、鉤」を持ち最後の左手は、人差し指を伸ばして邪悪なるものを威嚇しています。
ヴァラーハ(野猪)はヴィシュヌ神の化身の一つです。その妃として登場したヴァラーヒーは野猪の顔をした女神として活躍しました。 仏教タントリズムに組み入れられたヴァラーヒー(亥母)は、観想法の対象となる一方で、守護尊チャクラ・サンヴァラ(最勝楽)の明妃ともなりました。仏教タントリズムにおいては、「金剛」という語で始まる諸尊の名称がすこぶる多いのですが、金剛亥母もその一つです。 右手にカルトリ刀を、左手に頭蓋骨杯(カパーラ)を持ち、カトヴァーンガを肩にかけています。この女神の顔は野猪(亥)のそれではなく、美しい女性の顔ですが、野猪の首が女神の頭から横につき出ています(頭の右側の白い亥)。この姿の金剛亥母はネパールにおいてよく知られています。 シヴァの化身バイラヴァの妃バイラヴィーを踏みつけています。
チベット、ネパールのほとけたちの密教パンテオンの中の女神(じょしん)をご紹介しました。