パールヴァティー
インドの三大神の一人、シヴァ神の妃がパールヴァティーです。この名は、山(パルヴァト)の娘という意味で、シヴァと関係の深いヒマラヤの女神と考えられています。
彼女は、炎に身を投じて死んだシヴァの最初の妻、サティーの生まれ変わりとしてヒマラヤの神と、その妻メーナーのあいだに産まれました。
カーリダサと呼ばれる詩人は彼女の美しさを、眼は蓮の花のようで、眉はカーマ(愛の神)の弓に勝り、歩く姿は白鳥のように優美であると唱っています。
シヴァの最初の妻のサティーは、創造神ブラフマーの息子ダクシャの娘です。ダクシャは2人の結婚には反対で、ある日、娘のサティーとシヴァを罵倒し辱めてしまいました。それが原因でサティーは父の目の前で炎の中に身を投げ自殺しました。しかし、その後生まれ変わりパールヴァティーとなり再びシヴァの妃となりました。彼女はシヴァのパワーの源(シャクティ=性力)といわれています。
インドの女神として人気がある「カーリー」と「ドゥルガー」はパールヴァティーの化身とされています。インドには数多くの女神がいてシヴァの妻になっていますが、その多くが「実は私はパールヴァティー」という設定になっているようです。
■サイズ(縦×横):外寸335×250mm(絵300×220)
■生産国:ネパール
※タンカのみの販売です。額はついていません。
「シヴァ・リンガ」上部(リンガ)は男根を表し、下部(ヨーニ)は女陰を表す。リンガはシヴァの象徴として礼拝されます。
<タンカの製作者について>
このタンカの製作者はヴィジェイラマ(Vijay Lama)さん。1974年にチベットで生まれる。
ラマとはチベットの僧侶のことです。幼い頃に家族とともに亡命、ダライ・ラマ14世をいただく、
チベット亡命政府のある、インド北部ダラムサラで育ち、16歳からダラムサラで伝統的なタンカ画法を学び、
その後ネパールに行き仏画師となりました。
繊細な技術、独特な色使い、洗練された伝統を継承したチベット人仏画師です。
※このタンカは彩雲がヴィジェイラマさんに依頼し、新しく製作したオリジナルのタンカです。
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。