摩耶夫人
まやふじん(マーヤー)
のちに仏陀(釈迦)となるゴータマ・シッダールタは釈迦族の国王の浄飯王(じょうぼんのう)とその王妃である摩耶夫人(まやふじん)から生まれました。
紀元前566年(紀元前463年とする説もある)のことです。
摩耶夫人は6本の牙をもつ白い象が胎内に入る夢をみて、シッダールタを身ごもり、出産のために郷里へ帰る途上で、ルンビニーの遊園(現在のネパール領)で休憩します。
そのとき摩耶夫人が右手を伸ばしてアショーカ樹の満開の花を手折ろうとしたとき、右脇からシッダールタが生まれたと伝えられています。
摩耶夫人はそれから7日後に没しましたが、帝釈天が中心に住む忉利天(とうりてん)に転生したといわれています。
シッダールタが悟りを得て仏陀となったあと、忉利天の天上に上って母である摩耶夫人のために説法をしたという話が仏典の「摩訶摩耶教」に収められています。
■サイズ(縦×横):410×200mm
■生産国:ネパール
※タンカのみの販売です。額はついていません。
※このタンカはヨゴレのため通常価格の半額になっています。
タンカの中央右寄りにヨゴレがあります(下に写真掲載)
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。