薬師如来-金染料(額付き)
やくしにょらい
(バイシャジャグル)
画面全体に金の染料を使ったタンカ。24金ではなく金の合成染料を使っています。
《薬師如来》薬師如来が住んでいるところは、阿弥陀如来が住む西方極楽浄土とは反対側の東の果てにある浄瑠璃浄土。
そこは青い宝石(瑠璃)が敷き詰められ、建物も青い宝石でできた美しい世界といわれています。
あらゆる病を治し、貧しい人々には衣食などを与え、災難がふりかかれば救い出してくれる。
現世で起こるさまざまな問題に救いの手を差し伸べてくれる仏です。
薬師如来は菩薩だった頃に「十二の大願」を立てて修行をしたとされ、その大願の一つに、人々を病気の苦しみから救うという内容があったことから、医師を意味する「薬師」という名がつけられたといいます。
薬師如来の身体の色は青色で、釈迦と同じ印相を組み、左手に病を治す万能薬が入っている薬壺(やっこ)を載せているのが一般的です。
■タンカのサイズ(縦×横):外寸345×274mm(絵300×225mm)
■額のサイズ(縦×横):425×322mm
■生産国:ネパール
「木枠ブラウンの額」
「マットはストーンシルバー色です」
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
(※このタンカは金泥ではなく、金の合成染料を使っています)
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。