文殊菩薩-金染料
もんじゅぼさつ
(マンジュシュリー)
画面全体に金の染料を使ったタンカ。24金ではなく金の合成染料を使っています。
《文殊菩薩》「3人よれば文殊の智慧」といわれるように、文殊は智慧の菩薩です。
「維摩(ゆいま)教」という経典には維摩居士(ゆいまこじ)と呼ばれる議論好きな人物を仏陀の代理として文殊が訪ねて行き、仏教の教えについて議論を戦わせる場面がでてきます。
観自在はさまざまな姿をとりますが、文殊はその姿を変えることはあまりありません。
結跏趺坐で座り、右手で剣を振り上げ、左手で智慧を象徴する「般若経」の経典をもつ姿で表わされます。
■サイズ(縦×横):外寸413×295mm(絵357×253mm)
■生産国:ネパール
※タンカのみの販売です。額はついていません。
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
(※このタンカは金泥ではなく、金の合成染料を使っています)
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。