不動明王
ふどうみょうおう
(アチャラ・ナータ)
※このタンカは、すべて24金から作られた金泥で描かれています。
《不動明王》不動明王は密教の五大明王の中心となる明王。梵名のアチャラ・ナータは「山のように動かない者」という意味です。
ヒンドゥー教の破壊と再生の神、シヴァが源流と考えられる密教の尊格。シヴァ神と同じく青色の体をしています。大日如来の変化身、または教令輪身(きょうりょうりんじん)として無明に迷う衆生を強い力で導きます。教令輪身とは大日如来が導き難い相手に対して忿怒尊の姿をとることをいいます。日本には空海が真言密教とともにはじめてもたらしました。
不動明王は、眷属(けんぞく)として八大童子を従え、とりわけ脇侍として制吒迦童子(せいたかどうじ)と矜羯羅童子(こんがらどうじ)が有名です。
右手には煩悩や憎しみを切り捨てる「智慧の剣」、左手には道に迷いそうな人を縛って、正しい道へと連れ戻す「羂索(けんじゃく)」を持っています。髪は索髪(さくはつ)というおさげ型にして左に垂らし、頭には蓮華を載せています。また、バックには燃えさかる炎のような火焔光背(かえんこうはい)があり、これは人間界の迷いや煩悩を聖なる炎で焼き尽くすという意味が込められています。
五大明王とは五大尊,五忿怒ともいい、真言密教で不動明王を中心として四方に配され、魔を降伏させる5明王です。中央が不動明王、東方が降三世明王、南方が軍荼利明王、西方が大威徳明王、北方が金剛夜叉明王で、いずれも忿怒の形相をしています。(天台密教では金剛夜叉明王にかえて烏枢沙摩(うすさま)明王となります)
不動明王の真言は
「ノウマク・サンマンダ・バザラダン・カン」
■サイズ(縦×横):外寸450×270mm(絵390×210)
■生産国:ネパール
※タンカのみの販売です。額はついていません。
<タンカの製作者について>
このタンカの製作者はネパールのラメチャップ出身のラマ ギャンデンさん。1991年生まれ。
※このタンカは彩雲がラマ ギャンデンさんに依頼し、新しく製作したオリジナルのタンカです。
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。