小サイズのタンカを布の額に縫い付けています。
前面には絵を保護するための布も付いています。

《ヴィシュヌ》ヴィシュヌはシヴァとともにヒンドゥー教の信仰世界を二分する強力な神です。古代からの多くの神々を自己の化身として取り込みながら成長してきた複合神なので、化身するその姿は多様で非常に複雑です。一般的にはヴィシュヌの化身の数は１０とされています。

ヴィシュヌの本来の姿は、七頭の蛇（キングコブラ）を頭の上に傘のように広げ、腕は４本で、右手には武器である円盤と棍棒を、左手には法螺貝と蓮華を持つ青い美男子の姿で描かれます。

世界の維持・繁栄を司るとされ、配偶者は富と幸運の女神ラクシュミー（吉祥天）です。

<ヴィシュヌ１０の化身>
1.マツシャ　　　…　魚
2.クールマ　　　…　亀
3.ヴァラーハ　　…　猪
4.ナラシンハ　　… 人獅子（半身ライオン半身人間）
5.ヴァーマナ　　… 矮人（バラモンの息子のこびと）
6.パラシュラーマ… 斧を持つラーマ
7.ラーマ　　　　… 「ラーマーヤナ」の主人公ラーマ王
8.クリシュナ　　… 化身というより同格の神
9.ブッダ　　　　… 仏教の始祖
10.カルキ　　　　… 終末に現れる白馬に跨る騎士


■タンカのサイズ(縦×横):絵２０５×１４０mm
■布額のサイズ（縦×横）：６００×３５０mm
■生産国：ネパール









※布の額は多少のほつれ、ゆがみがあります。ご了承の上お買い求め頂きますようお願いいたします。

<タンカの製作者について>

このタンカの製作者はヴィジェイラマ（Vijay Lama）さん。１９７４年にチベットで生まれる。

ラマとはチベットの僧侶のことです。幼い頃に家族とともに亡命、ダライ・ラマ14世をいただく、

チベット亡命政府のある、インド北部ダラムサラで育ち、1６歳からダラムサラで伝統的なタンカ画法を学び、

その後ネパールに行き仏画師となりました。

繊細な技術、独特な色使い、洗練された伝統を継承したチベット人仏画師です。



※このタンカは彩雲がヴィジェイラマさんに依頼し、新しく製作したオリジナルのタンカです。



如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ（Thanka）』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。

絵具は鉱物性顔料（※１）と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は２４金から作られた金泥（※２）が使われています。
※１鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
　　天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
　　日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
　　代表的な色と鉱石は、青−琉璃（ラピスラズリ）、緑−孔雀石（マラカイト）、赤−辰砂（シンナバー）など。
※２金泥(きんでい)―純金の粉を膠（にかわ）の液で泥のように溶かしたもの

タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、２４金から作られた金泥が使われています。