小サイズのタンカを布の額に縫い付けています。
前面には絵を保護するための布も付いています。

《ラクシュミー》ラクシュミーは富と幸運と豊穣の女神で、家庭神としても広く親しまれています。
天地創造時の泡立つ海の中から生まれた美しい女神です。蓮華の上に立ち、腕は４本、両手に蓮の花を持ち、下に向けた右の手のひらからは、富の非常に即物的な表現として金貨がこぼれ落ちています。

ヒンドゥー教の宗教文学である「バーガヴァタ・プラーナ」には、ラクシュミーの美しさに神もアスラも感嘆し、いろいろな贈り物をして気を引こうとしましたが、彼女は結局ヴィシュヌを夫として選びました。

ヴィシュヌの妻になってからは、夫が化身として地上に降りるときには、ラクシュミーも姿を変えそれに従いました。ヴィシュヌがラーマとして生まれるときはシーターになり、クリシュナとして生まれるときはルクミニーになるというふうに。

ラクシュミーは吉祥天と漢訳され、日本にも渡来し、仏教では毘沙門天の妃とされています。

■タンカのサイズ(縦×横):絵２０５×１４０mm
■布額のサイズ（縦×横）：６２０×３５０mm
■生産国：ネパール









※布の額は多少のほつれ、ゆがみがあります。ご了承の上お買い求め頂きますようお願いいたします。

<タンカの製作者について>

このタンカの製作者はヴィジェイラマ（Vijay Lama）さん。１９７４年にチベットで生まれる。

ラマとはチベットの僧侶のことです。幼い頃に家族とともに亡命、ダライ・ラマ14世をいただく、

チベット亡命政府のある、インド北部ダラムサラで育ち、1６歳からダラムサラで伝統的なタンカ画法を学び、

その後ネパールに行き仏画師となりました。

繊細な技術、独特な色使い、洗練された伝統を継承したチベット人仏画師です。



※このタンカは彩雲がヴィジェイラマさんに依頼し、新しく製作したオリジナルのタンカです。



如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ（Thanka）』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。

絵具は鉱物性顔料（※１）と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は２４金から作られた金泥（※２）が使われています。
※１鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
　　天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
　　日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
　　代表的な色と鉱石は、青−琉璃（ラピスラズリ）、緑−孔雀石（マラカイト）、赤−辰砂（シンナバー）など。
※２金泥(きんでい)―純金の粉を膠（にかわ）の液で泥のように溶かしたもの

タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、２４金から作られた金泥が使われています。