小サイズのタンカを布の額に縫い付けています。
前面には絵を保護するための布も付いています。

《ハヌマーン》ハヌマーンはインドの叙事詩「ラーマーヤナ」に登場し、最も活躍する猿の戦士です。
風の神のヴァーユと天女アンジャニーのあいだに生まれた子供で、生まれつき神通力を持ち、体の大きさを自由に変えたり、空を飛ぶこともできました。

無双の怪力と無私の忠誠のよってラーマ（ヴィシュヌの化身でインドの理想君主像）を助けるハヌマーンは、インドの民衆に最も愛されている半獣神です。

「ラーマーヤナ」の戦闘編には、主人公ラーマの弟であるラクシュマナが、敵の矢に倒れたとき、瀕死のラクシュマナを救うためには、ヒマラヤのカイラーサ山に生えている四種の薬草を夜明けまでに持ってこなければならないことになり、ハヌマーンは急いでカイラーサ山に飛んだが、肝心の薬草を見分けることができず、そこで山頂を丸ごと削り取り、戦場まで運び、ようやくラクシュマナの命を救ったということが書かれています。

ハヌマーンが山を担いで宙を飛ぶ姿は最大の見せ場として好んで描かれます。用が済んだあと、ハヌマーンは山を元の場所へ返しに行ったそうです。

■タンカのサイズ(縦×横):絵２０５×１４０mm
■布額のサイズ（縦×横）：６１５×３５０mm
■生産国：ネパール









※布の額は多少のほつれ、ゆがみがあります。ご了承の上お買い求め頂きますようお願いいたします。

<タンカの製作者について>

このタンカの製作者はヴィジェイラマ（Vijay Lama）さん。１９７４年にチベットで生まれる。

ラマとはチベットの僧侶のことです。幼い頃に家族とともに亡命、ダライ・ラマ14世をいただく、

チベット亡命政府のある、インド北部ダラムサラで育ち、1６歳からダラムサラで伝統的なタンカ画法を学び、

その後ネパールに行き仏画師となりました。

繊細な技術、独特な色使い、洗練された伝統を継承したチベット人仏画師です。



※このタンカは彩雲がヴィジェイラマさんに依頼し、新しく製作したオリジナルのタンカです。



如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ（Thanka）』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。

絵具は鉱物性顔料（※１）と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は２４金から作られた金泥（※２）が使われています。
※１鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
　　天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
　　日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
　　代表的な色と鉱石は、青−琉璃（ラピスラズリ）、緑−孔雀石（マラカイト）、赤−辰砂（シンナバー）など。
※２金泥(きんでい)―純金の粉を膠（にかわ）の液で泥のように溶かしたもの

タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、２４金から作られた金泥が使われています。