小サイズのタンカを布の額に縫い付けています。
前面には絵を保護するための布も付いています。

《虚空蔵菩薩》梵名のアーカシャガルバは「仏の智慧や財宝を入れられる無限の蔵」を意味し、仏が及ぶ力は無限であることを表しています。

虚空像菩薩の真言「オン・バザラ・アラタンノウ・オンタラク・ソワカ」を、１００日ないしは５０日で１００万回唱える難行を乗り越えると、あらゆる教法や見聞きしたものを覚える記憶力が身につき、集中力も養われると言われています。この行法は「虚空蔵求聞持聡明法（こくうぞうぐもんじそうめいほう）」といい、空海は室戸岬の洞窟に閉じ籠もり、これを行い超人的な記憶力を得ました。

ネパールでは望むものを与える財宝神として信仰されていますが、日本では虚空蔵菩薩は無限の智慧、財宝に加え、技能や芸術の才能も持ち合わせており、さまざまな階層の人たちから信仰されてきました。

■タンカのサイズ(縦×横):絵２０５×１４０mm
■布額のサイズ（縦×横）：６１５×３５５mm
■生産国：ネパール










※布の額は多少のほつれ、ゆがみがあります。ご了承の上お買い求め頂きますようお願いいたします。

<タンカの製作者について>

このタンカの製作者はヴィジェイラマ（Vijay Lama）さん。１９７４年にチベットで生まれる。

ラマとはチベットの僧侶のことです。幼い頃に家族とともに亡命、ダライ・ラマ14世をいただく、

チベット亡命政府のある、インド北部ダラムサラで育ち、1６歳からダラムサラで伝統的なタンカ画法を学び、

その後ネパールに行き仏画師となりました。

繊細な技術、独特な色使い、洗練された伝統を継承したチベット人仏画師です。



※このタンカは彩雲がヴィジェイラマさんに依頼し、新しく製作したオリジナルのタンカです。



如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ（Thanka）』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。

絵具は鉱物性顔料（※１）と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は２４金から作られた金泥（※２）が使われています。
※１鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
　　天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
　　日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
　　代表的な色と鉱石は、青−琉璃（ラピスラズリ）、緑−孔雀石（マラカイト）、赤−辰砂（シンナバー）など。
※２金泥(きんでい)―純金の粉を膠（にかわ）の液で泥のように溶かしたもの

タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、２４金から作られた金泥が使われています。