緑多羅菩薩(額付き)
(グリーンターラー)
緑多羅菩薩は、観音さまが救っても救っても一向に減らない人々の苦難を見て思わずその眼から流れ出た涙から生まれ出たといわれ、苦難の海でもがき苦しんでいる衆生を救うという誓いを立てたといいます。
日本人にはあまり馴染みがない多羅ですが、誰にでも分け隔てなく困難からの救いの手を差し伸べてくれ、またチベット仏教では数少ない女性の菩薩ということもあって、多くのチベット人の信仰の対象になっています。
緑多羅菩薩は、身体の色はグリーンで活動的です。
いつでもすぐに救いに出かけられるように、右足を常にやや前にある小さな蓮の台の上に置いて、動きがある姿勢をとっています。
■タンカのサイズ(縦×横):275×225mm
■額のサイズ(縦×横):377×287mm
■生産国:ネパール
「額はアンティーク風の木製フレーム、マットは黒を使用しています」
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。