弥勒菩薩(額付き)
みろくぼさつ
(マイトレーヤー)
観自在がこの世界にとどまり人間たちを救いつづけているのに対して、弥勒菩薩は未来にこの世にあらわれるほとけです。
仏教経典には、弥勒はいまは兜率天(とそつてん)とよばれる天上の世界で人々を救うために修行をしており、仏陀入滅後(死後)56億7000万年後にはこの世に降りてきて人々を救うだろうといわれています。
頭上にきらびやかな冠をつけ、その冠の上には仏塔が載っています。
両手は説法印を結び、更に蓮華の茎が握られ、それぞれの蓮華の上にはお釈迦さまの最初の説法(初転法輪)を意味する法輪と、人々の悪業を洗い流すとされる水をたくわえた水瓶が載っています。
■タンカのサイズ(縦×横):430×315mm
■額のサイズ(縦×横):508×393mm
■生産国:ネパール
「純金からつくられた金泥が輝きます」
「額はアンティーク風の木製フレーム、マットは黒を使用しています」
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。