金剛薩埵
こんごうさった
(ヴァジュラ・サットゥヴァ)
大日如来よりもさらに新しくあらわれたとされるこの尊格は
菩薩であると同時に如来である五仏に次ぐ第六の仏とも考えられています。
ネパール仏教では、金剛薩埵は五仏の「師」であるとされています。
右手に金剛杵(こんごうしょ)、左手に金剛鈴(こんごうれい)とよばれる鈴をもつ姿であらわされ、金剛杵は他のものを救済する慈悲(慈しむ力と悲しみを取り除く力)を意味し、金剛鈴は真理を悟る智慧の象徴と考えられています。
ひとつの顔と2本の腕をもち、密教の仏や神々のなかでももっとも人間に近い姿をしています。
■サイズ(縦×横):外寸600×455mm(絵520×380)
■生産国:ネパール
※タンカのみの販売です。額はついていません。
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。