六字観自在菩薩
ろくじかんじざいぼさつ
画面全体にふんだんに24金から作った金泥を使ったタンカです。上部には阿弥陀如来が描かれています。
《六字観自在菩薩》観自在(かんじざい)は、観音(かんのん)、観世音(かんぜおん)または世自在(せじざい)ともよばれます。
多様なる姿で現れ、この世に生きとし生けるものが悟りを得るまでは、自分は如来となって悟りの世界へは行かず、この世で救済の修行を続けている菩薩です。
チベット、ネパールではもっともなじみ深い4本の腕をもつ観音は「六字観自在」または「六字観音菩薩」とよばれます。
六字とは「オーム、マ ニ パドメー フーム」(オーム、宝珠と蓮華よ、幸いであるように)という6つの音節を指しています。
4本の腕の一対の両手で合掌し、もう一対の右手で数珠、左手で蓮華をもっています。
六字観自在は、ネパールの108種の観自在(108観自在)の第103番目の観自在です。
《阿弥陀如来》「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と唱えると、生前に悪い行いをした人でも極楽浄土に連れていってくれる、ありがたい仏さま。
■サイズ(縦×横):外寸600×445mm(絵530×380)
■生産国:ネパール
※タンカのみの販売です。額はついていません。
如来や菩薩を描いた仏画はチベットネパールの伝統美術で『タンカ(Thanka)』と呼ばれます。
熟練したタンカ絵師が長い時間をかけて丁寧に描いています。
絵具は鉱物性顔料(※1)と合成顔料のポスターカラーを使っています。
また金の発色は24金から作られた金泥(※2)が使われています。
※1鉱物性顔料―天然鉱石を砕いて作られた絵具。
天然ものなので他の色味をもつ鉱物が若干混ざっており、そのため独特な色合いと深みを持っています。
日本では日本画の画材「岩絵の具」と呼ばれ、古くは古墳時代の遺跡にも見られます。
代表的な色と鉱石は、青−琉璃(ラピスラズリ)、緑−孔雀石(マラカイト)、赤−辰砂(シンナバー)など。
※2金泥(きんでい)―純金の粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの
タンカの価格は、緻密さや全体のバランスなど絵師の熟練度によっても決まりますが、
一般的に、高価なタンカはより多くの鉱物性顔料と、24金から作られた金泥が使われています。